"Chocolat" 

女性にぜひお薦めの夢のある甘く優しい物語。

1959年、フランスの片田舎に6才ほどの娘を連れた女が移り住み、 教会の前で小さなチョコレート屋を始める。彼女のチョコには食べる人それぞれの隠された欲望を満たしてくれる不思議な力があり、禁欲と節制の日々を送っていた村人が徐々に彼女のチョコのとりこになっていく。

ところが、敬けんなクリスチャンである町のリーダーは彼女の店が気に入らず、村人に享楽と退廃を持ち込んだと彼女を窮地に追い込んでいく。チョコレートに託したうっとりする甘い思いや欲望を肯定し、それを生きる力にしていく女性性と、規律と自制を好む男性性の対立という風にも思える話の組み立てが楽しい。

主演のジュリエット・ビノッシュの女っぷりのいい優しい魔女ぶりが素敵で、見終わるとカカオバターたっぷりの贅沢なココアを飲んだようなあったかな気分。