2013-01-01から1年間の記事一覧

"Blue Is The Warmest Color"(邦題『アデル、ブルーは熱い色』)

『アデル、ブルーは熱い色』写真クレジット:IFC Films 若い女の恋と成長の物語で、今年のカンヌ映画祭で最高賞のバルム・ドールを受賞した。受賞式では審査員長のスティーブン・スピルバーグから監督の他に出演女優の2人にも同賞が贈られ、カンヌ史上初めて…

"Let the Fire Burn"

"Let the Fire Burn" 写真クレジット:Zeitgeist Films 1985年5月13日、フィラデルフィア警察によって市内のアフリカ系組織ムーヴ(MOVE)の家が爆撃され、子供5人を含む11人が殺害された。生存者はたった二人。大都市の住宅地域でなぜ警察は爆弾を落とした…

"Blue Jasmine"(邦題『ブルー・ジャスミン』)

『ブルー・ジャスミン』写真クレジット:Sony Pictures Classics 毎年新作を発表し続けている今年78歳のウッディ・アレン監督の最新作だ。目玉は何と言ってもアレン作品は初めてのケイト・ブランシェットの主演だろう。彼女がアレン独特のコメディ世界でどん…

"Enough Said"

"Enough Said" 写真クレジット:20th Century Fox 今年6月に急逝した『ザ・ソプラノズ哀愁のマフィア』のジェームズ・ギャンドルフィーニの遺作となった映画作品。ロサンゼルスを舞台に離婚歴のある中年男女の恋を描いたコメディで、ロマンスにも笑いにもか…

"Spinning Plates"

煙草の葉から抽出した香りのエッセンスをプラスチックバッグに集め、数カ所小さな穴を開けてピローカバーに入れる。その上に料理を盛った皿を乗せると、重さでバッグに溜まった煙草の香りが少しずつ出てきて、料理を食べる人はほのかな煙草の葉の香りに包ま…

超文学『吾輩はゲッコーである』(2)

『ああ、ハワイ!』のブログ更新、ゲッコー混迷の日々が続く… http://yumidoiwatercolor.hatenablog.com/entry/2013/11/05/011420

ブログ「ああ、ハワイ!」再開

ハワイ島に来てからのアレやコレやを綴るブログを再開しました。こちらもぜひ覗いてみてください。 http://yumidoiwatercolor.hatenablog.com/entry/2013/11/04/021625

『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』(原題『Twenty Feet from Stardom』)

『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』写真クレジット:Radius TWC 中学生の頃からビートルズやローリング・ストーンズなどの英国のロックを聞き始めたが、バックアップシンガー(以下BUシンガー)について無知だった。ところが本作を観て目からウロコ。…

"Gravity"(邦題『ゼロ・グラビティ』)

『ゼロ・グラビティ』写真クレジット:Warner Bros.Pictures 今月上旬の公開と同時に興行成績第一位になった大ヒットSF映画。その理由が十分納得できる傑作映画で、しばらく観賞後の興奮が醒めず、すぐにもう一度観たいという衝動に駆られた。

"Mother of George"

"Mother of George" 写真クレジット:Oscilloscope 今年サンダンス映画祭で撮影監督のブラッドフォード・ヤングが賞を得た作品で、さすがに映像の美しさには目を見張るものがあったが、単に映像美に流されることなく明確な骨組みをもった物語に引き込まれた。

"Therese"(邦題『テレーズ・デスケルウ』)

"Therese" 写真クレジット:MPI Media Group フランソワ・モーリアックの小説『テレーズ・デスケルウ』の映画化である。文学作品の映画化は必ず原作と比較され、原作愛読者を失望させることが多い。モーリアックはノーベル賞作家でもあり、原作が文学的であ…

"Spark:A Burning Man Story"

"Spark:A Burning Man Story" 写真クレジット:写真クレジット:A Spark Pictures Production バーニング・マンというと思い出す女性がいる。このイベントに関っていた人で、末期のガンだった。医療機関でのガン治療は一切せず、断食や東洋医学だけでガンと…

 "Terraferma"(邦題『海と大陸』)

写真クレジット:Cohen Media Group だいぶ前のこと、観光フェリーに乗っていたら、近くを航海していた船でぼやがあり、フェリーが方向転換をしてその船の救助に向かったことがある。観光船でも救助をするのかと、ちょっと驚いたが、海上で他の船舶の事故な…

"The Act of Killing"(邦題『殺人という行為』)

"The Act of Killing" 写真クレジット:Drafthouse Films 異様な映画を観てしまった。いや1回で観続けることができなくて、なんどもストップしながらようやく全編を観た。異様であると共に、私が単純に「悪」と思っているものの正体は何なのか?というかなり…

"The Heat"(原題『ザ・ヒート』)

『ザ・ヒート』写真クレジット:20th Century Fox ハワイ島に引っ越してきて以来、インディ系や外国映画を見るチャンスが激減してしまった。サンフランシスコにいる時はリッチな映画お大尽暮らしで、ハリウッド映画を観ることはほとんど無かったのだが、太平…

"Hannah Arendt"(原題『ハンナ・アーレント』)

"Hannah Arendt" 写真クレジット:Zeitgeist Films 1961年、イスラエルで元ドイツ親衛隊員アドルフ・アイヒマンの裁判が行われた。彼はナチス政権下、数百万人の人々を強制収容所に送るというホロコーストの中心的役割を担い、戦後は訴追を逃れてアルゼンチ…

"The Grandmaster"(邦題『グランド・マスター』)

『グランド・マスター』写真クレジット:The Weinstein Company チャン・ツィイーが『LOVERS』から9年ぶりに中国の武術者を演じて、圧倒的な良さだ。腕を前に出して型を決め、対戦相手を見据える時のキリリとした表情の美しさ、動きの流麗さ。

"Before Midnight"(原題『ビフォア・ミッドナイト』)

"Before Midnight" 写真クレジット:Sony Picture Classics 旅先で知り合った米国人のジェシーとフランス人のセシールが、 ウィーンの街で恋に落ち、半年後の再会を誓って別れる(95年『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』)。9年後、再会を果たせない…

"‪Love Is All You Need‬"(邦題『愛さえあれば』)

『愛さえあれば』写真クレジット:Sony Pictures Classics 中年男女の恋を描いたロマンチック・コメディだ。このジャンルで面白い作品はあまり多くない。話の結末が見えているという致命的な問題があるからかもしれない。

"At Any Price"

"At Any Price" 写真クレジット:Sony Pictures Classics トウモロコシの88%が遺伝子組み換え(以下GMO)といわれる米国農業の実態をドラマに反映させた意欲的映画を紹介しよう。

"Ginger & Rosa"(原題『ジンジャーの朝 さよならわたしが愛した世界』)

『ジンジャーの朝 さよならわたしが愛した世界』写真クレジット:A24 ティーンの頃、仲の良い友達とよく長電話をした。ビートルズや映画、学生運動、母親への腹立ち、教師への不満などなど、なぜあんなに何でも話しが出来たのだろう。あの頃の友達に抱いた親…

"Kon-Tiki"(邦題『コン・ティキ』)

"Kon-Tiki" 写真クレジット:The Weinstein Company 1947年、ペルーのカヤオから帆を張ったいかだ船が出航した。乗船者はノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダール他5人の学者やエンジニアたち。ヘイエルダールは、ボリネシア人の祖先が定説である東南ア…

"Mud"

"Mud" 写真クレジット:Roadside Attractions 長編第2作『テイク・シェルター』(2011年)で、独創性のある大きな才能を感じさせてくれたた若い映画監督ジェフ・ニコルスの最新作だ。昨年のカンヌ国際映画祭コンペ作品の一つで、前作同様にアメリカン・イン…

"The Place Beyond the Pines"

"The Place Beyond the Pines" 写真クレジット:Focus Features 数え切れない入れ墨が彫り込まれた引き締まった腹筋に、エンジェルナイフを忙し気に動かす男の手のアップ。男は背を向けてカーニバルの喧噪へと歩き出し、あるテントの中に入り、彼を待ちわび…

"War Witch (Rebelle)"(邦題『魔女と呼ばれた少女』)

『魔女と呼ばれた少女』写真クレジット: Tribeca Film アフリカを舞台に、反政府軍によって拉致され、ゲリラ兵士になった12歳の少女を描いた映画作品なので、悲惨な物語を予想した。確かに惨い物語ではあるのだが、主人公がまだ見ぬ自分の子供に語りかける…

"West of Memphis"(原題『ウェスト・オブ・メンフィス』)

"West of Memphis" 写真クレジット:Sony Picture Classics えん罪事件を扱ったドキュメンタリー映画はたくさんあるが、映画を通して事件解決の過程をみせていくという作品はあまり見たことがない。ウソと偏見、疑惑だらけの証拠と強要された自白などでグル…

"Like Someone in Love(邦題『ライク・サムワン・イン・ラブ』)

『ライク・サムワン・イン・ラブ』写真クレジット:IFC Films 『トスカーナの贋作』(英題 "Certified Copy" http://d.hatena.ne.jp/doiyumifilm/20110326) で虚構のもつ力について考えさせてくれたイランの巨匠イランのアッバス・キアロスタミ監督の最新作。…

"Beasts of the Southern Wild"(邦題『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』)

"Beasts of the Southern Wild" 写真クレジット:Fox Searchlight Pictures 邦題は少女漫画っぽいが、原題の意味は「ワイルドな南部に生きるけものたち」という感じか。イノシシみたいな巨大な架空動物が出てくるファンタジー映画なのだが、ドキュメタリー映…

"Stoker" (邦題『ストーカー』)

『ストーカー』写真クレジット:Fox Searchlight Pictures サスペンス・ホラーの『オールド・ボーイ』や『復讐者に憐れみを』の復讐3部作で知られる韓国のパク・チャヌク監督の最新作を紹介しよう。チャヌク監督作品というとまずは「血まみれ」というイメー…

ああ、ハワイ

サンフランシスコからハワイ島への引っ越しを目指す、ため息の日々を綴るブログを始めました。 http://yumidoiwatercolor.hatenablog.com/