2011-01-01から1年間の記事一覧

"Thrive"

写真クレジット:Clear Compass Media「金融街を占拠せよ」運動にアンテナを広げていたら、目からウロコがポロポロ落ちるドキュメンタリー映画に出会ってしまった。繁栄、成長という意味の『Thrive』というタイトルのドキュメンタリー映画で、眠っている意識…

"Young Adult"(邦題『ヤング≒アダルト』)

『ヤング≒アダルト』写真クレジット:Paramount Pictures だらし無い格好でポーズするシャーリーズ・セロンのポスターを観て、あまり観る気が起きなかったのだが、外見に騙されることなかれ。しっかりとした歯ごたえのあるダークコメディの秀作だ。

"The Artist"(原題『ジ・アーティスト』)

『ジ・アーティスト』 写真クレジット:The Weinstein Company 美しいモノクロ画面と懐かしい音楽で見せるサイレント映画。しかも1927年のハリウッドを舞台にしたフランス映画というひねりが利いたラブコメディで、久しぶりに動画の楽しさを堪能した。

"The Descendants"(邦題『ファミリー・ツリー』)

『ファミリー・ツリー』写真クレジット:Fox Searchlight Pictures ハワイの湿気を含んだ柔らかな空気と、優しいハワイアン・ソングが画面を満たす苦くて痛いファミリー・コメディ。原作を書いたのはハワイ生まれの若い女性作家カウイ・ハート・ヘミングスで…

"Martha Marcy May Marlene"

"Martha Marcy May Marlene" 写真クレジット:Fox Searchlight Pictures 若い女が公衆電話の受話器を堅く握って、助けを求めてる。何かを怖れ、怯えている様子はただ事ではない。女の名はマーサ(エリザベス・オルセン)、電話の相手は何年も音信普通だった…

"Make Banks Pay California"の活動

写真クレジット:SF Examiner 9月29日、サンフランシスコの金融街を歩いていたらデモに出くわした。参加者は7-800人ほどで、平日昼のデモとしてはかなり大きい。金融街でデモなんて珍しいなあと思っていたら、なんと金融機関そのものへのデモだった。若い女…

"The Ides Of March"(原題『ジ・アイズ・オブ・マーチ』)

『ジ・アイズ・オブ・マーチ』写真クレジット:Sony Picture Entertainment Inc. ジョージ・クルーニーが監督した政治サスペンス映画の秀作だ。大統領選の民主党指名候補を狙うオハイオ州のマイク・モリス知事(クルーニー)には、長年彼を支えてきた広報担…

『!Women Art Revolution』(!W.A.R 戦争の意)

写真クレジット:A Zeitgeist Films Release このドキュメンタリー映画は「あなたの知っている女性アーティストの名前を挙げてください」という問いかけから始まる。あなたは何人の名前をあげられるだろう。フリーダ・カーロ、ジョージア・オキーフ、ルイー…

『めぐりあう時間たち』("The Hours" 2002年、米国)

『めぐりあう時間たち』写真クレジット:Miramax Films 本作について、高尚ぶっていて難解な映画、そんな印象を持つ人は多いように思う。たぶん、それは映画化が不可能と言われたマイケル・カニングハムの原作によるところも大きいのだろうが、主にはレズビ…

"Contagion"(原題『コンテイジョン』)

『コンテイジョン』写真クレジット:Warner Bros. 米国の俊才スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作は、パンデミック(世界的流行病)スリラーだ。マット・デイモンやジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤールなど豪華な配役陣で、…

"The Interrupters"

"The Interrupters" 写真クレジット:Kartemquin Films アル・カポネ以来犯罪都市として悪名を馳せたシカゴは、今だにその暗い伝統を継承している。90年代初頭から低所得地域でのギャング同士の殺し合いが激化して、年間900人を越える殺人事件が起きた。人口…

『アトミックマム』(原題"Atomic Mom")

映画『アトミックマム』のポスター。写真クレジット:Smartgirl Productions アメリカのドキュメンタリー映画を観ていると、名前や肩書きを出して、内部告発をする人たちがしばしば出てくる。すでに関連した企業や組織を離れている人もいるが、まだ在籍中で…

"Life, Above All" (『沈黙のはてに』)

『沈黙のはてに』 写真クレジット:Sony Picture Classics 南アフリカ共和国(以下南ア)を舞台にしたヤングアダルト文学のベストセラー『沈黙のはてに』(アラン・ストラットン著)を原作とした秀作映画だ。主人公は、ヨハネスブルグ近郊の小さな町で暮らす…

"The Tree"

"The Tree" 写真クレジット:Zeitgeist Films 大きな木を見ていると賢人のような気がしてくる。しっかりと根を大地に張り、一歩も動くことなく風雪に耐え、人間の一生の何倍も生きてきたのだ。英知に溢れ、耳を当てれば声だって聞こえてきそうだ。それが10歳…

"Project Nim"

"Project Nim" 写真クレジット:Roadside Attractions 「マン・オン・ワイヤー」でアカデミー賞を受賞した英国の映画監督ジェームズ・マーシュの最新作で、人間の子供として育てられたチンバンジー、二ムの「数奇」な運命を追ったドキュメンタリー映画である…

原爆、原発、モンサント

ロスアラモス国立研究所の火事福島原発の事故以来、日本での放射能汚染問題をツイッターやネットのニュースで追いながら、アメリカの原発について自分は何も知らないなと思っていたら、6月に二つの原子力関連施設で災害が起きた。

『子猫をお願い〜Take Care Of My Cat』(01年、韓国映画)

写真クレジット:ポニーキャニオン 中学に入学して直後、とても目立つ小グループが出来た。長身の美少女(在学中からモデルをしていた)を中心に、彼女を囲む男の子っぽい雰囲気の女の子数人が、校庭の隅でいつもたむろしているのだ。私立女子校に特有の文化…

『キッズ・オールライト』(原題 "The Kids Are All Right" 2010年、アメリカ映画)

『キッズ・オールライト』写真クレジット:Focus Features やや旧聞になるが、今年のアカデミー賞でレスビアン・カップルが主人公のコメディ『キッズ・オールライト』が、主演女優賞、助演男優賞、作品賞、脚本賞の主要4部門にノミネートされた。たぶん、レ…

"The Tree of Life"(邦題『ツリー・オブ・ライフ』)

『ツリー・オブ・ライフ』写真クレジット:FOX SEARCHLIGHT 抽象絵画を画集や小さな写真で観ているとその真価が分からないことが多い。たとえばマーク・ロスコなどは、作品の大きさを目の前にして初めて胸に広がる作品の力が実感できる。先月のカンヌ映画祭…

"Midnight In Paris" (『ミッドナイト・イン・パリ』)

『ミッドナイト・イン・パリ』写真クレジット:Sony Pictures Classics パリと言われると何を想うだろう。私ならまずフィルムノアール、白黒の映像と共にジャン・ギャバンやリノ・バンチェラなどの渋い顔が浮かんでくる。人によって想いはさまざまだと思うが…

『インサイド・ジョブ』(英題 "Inside Job")

『インサイド・ジョブ』写真クレジット:ソニー・ピクチャーズ 08年、投資銀行リーマン・ブラザーズの倒産に始まった損失総額20兆ドルの世界的な金融破綻はいかにして起きたのか。それを徹底的に追ったドキュメンタリー映画の『インサイド・ジョブ 世界不況…

『そして、私たちは愛に帰る』(英題 "Edge of Heaven" 07年、ドイツ=トルコ映画)

『そして、私たちは愛に帰る』写真クレジット:ビターズ・エンド ドイツで生きるトルコ移民の厳しい状況を背景に、重い人生の試練を背負った人々の罪と癒し、家族愛を描いた第一級の映画作品を紹介しよう。若いレスビアンの恋人同士が物語の重要なけん引役に…

『十三人の刺客』(英題"13 Assassins")

『十三人の刺客』写真クレジット:Magnolia Pictures and Magnet Releasing 70年代後期に、黒澤明は映画『影武者』を作ろうとして、合戦場面に使える馬がいなかったという話をしている。そこで、馬を時代劇に使えるように調教することから始めたらしい。40年…

4月上旬に書いた記事です。 ***** 東日本大震災から一ヶ月、遠く離れた場所にいて何を一番考えたかというと原子力についてだった。地震の翌日に知人から「福島の原発が危ないから東京を出る」というメールをもらってから、ずっと考えてきたことだ。東京…

"Meek's Cutoff"

"Meek's Cutoff" 写真クレジット:Oscilloscope Laboratories 1840年から60年にかけて多くの開拓民たちが東海岸からオレゴンに移住し始めた。ホロ馬車を連ねた彼らの辿った道は「オレゴントレイル」と呼ばれる3,500 kmの道のり。砂漠や山岳地帯を乗り越えて6…

"When We Leave"(原題『Die Fremde』)

"When We Leave" 写真クレジット: Olive Films 映画は世界への窓だということを改めて痛感した。今年のアカデミー賞外国映画賞候補作としてドイツから出品された作品で、ドイツで生きるトルコ系の若い母親を主人公にしている。

"In A Better World"(原題『イン・ア・ベター・ワールド』)

『ある愛の風景』や『アフター・ウェディング 』などを世界に送り出してきたドグマ95出身の映画監督スサンネ・ビアの最新作。本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品だ。 『イン・ア・ベター・ワールド』 写真クレジット:Sony Pictures Classics

"Potiche"(邦題『しあわせの雨傘』)

『しあわせの雨傘』写真クレジット:Music BoX Filmsカトリーヌ・ドヌーヴを主人公に据えた明るいコメディ。80年代にパリでヒットした風俗劇を、異才フランソワ・オゾンが大幅に書き直し、監督している。フワフワとした夢のような物語に加えてセットや衣装が…

"Certified Copy"(邦題『トスカーナの贋作』)

『トスカーナの贋作』写真クレジット:IFC Films イタリアのトスカーナ地方を舞台に、近刊の著書について講演に来た英国の作家 とその町でギャラリーを持つフランス人女性が町を散歩しながら語り合う、ただそれだけの映画だ。

大江健三郎さんが福島第一原発の事故について以下のような発言をしています。共同通信の記事をそのまま載せます。大江さん、日本は再び核の犠牲に 仏紙と会見【パリ共同】ノーベル賞作家の大江健三郎さんは17日付フランス紙ルモンドのインタビュー記事で、…