2012-01-01から1年間の記事一覧

"Les Misérables"(邦題『レ・ミゼラブル』)

『レ・ミゼラブル』写真クレジット:Universal Pictures 世界43カ国で上演され、日本でもロングランが続いている舞台ミュージカル『レ・ミゼラブル』の映画化。世界中に熱烈なファンが多い作品なのだろう。豪華な俳優陣を配した2時間27分の大作で、ホリデー…

『Anna Karenina』(邦題『アンナ・カレーニナ』)

『アンナ・カレーニナ』写真クレジット:Focus Features レフ・トルストイ原作『アンナ・カレーニナ』は何度も映画化されているので、一作位は観たことがある人もいるだろう。1927年グレタ・ガルボ主演のサイレント映画や、その後ヴィヴィアン・リー、ソフィ…

『Life of Pi』(3D、邦題『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』写真クレジット:20th Century Fox 見終わったとたん、隣りにいたライターの女性に「このトラはCG、ですよね?」と確認してしまった。実写とCGの見分けがつかないトラが吠え、跳ね、暴れまくる姿に圧倒されたの…

『Cloud Atlas』(邦題『クラウド・アトラス』)

『クラウド・アトラス』写真クレジット:Warner Bros. Pictures 6つの時代を転生する10人近い登場人物の出会いとドラマを描いたSFの超大作だ。原作を書いたのは英国作家デイヴィッド・ミッチェルで、発刊された04年当時は文学賞の候補にものぼり、映画化は…

"Once Upon a Time in Anatolia"

写真クレジット:Cinema Guild この映画を観て以来、本作の「すごさ」についてなんとか言葉にしたいと思って来たが、感動とか衝撃という言葉では言い表せない「すごさ」を受け取ってしまうと、いつも何も書けなくなってしまう。

 頭すっきりのフレッシュ・ジュース 

一回で飲む野菜の量、二人分。野菜のフレッシュ・ジュースを飲み始めて一ヶ月以上が過ぎた。フレッシュ・ジュース用に野菜の酵素や栄養素をあまり壊さない圧搾式低速回転ジューサーを購入したのだ。飲んでいるジュースの量はかなり多くて、朝と夜にそれぞれ4…

『The Sessions』

『The Sessions』写真クレジット:Fox Searchlight Pictures 6才でポリオになって以来、ずっと鉄の人工肺の助けで生きて来た男性が、38才になって始めて女性との性体験を持った。相手の女性はセックス・セラピスト。共に実在の人物である。

『Argo』(邦題『アルゴ』)

『アルゴ』写真クレジット:Warner Bros. Pictures 明日から劇場公開される映画『Argo』について書こう。『Argo』は、79年にイランのアメリカ大使館がホメイニ派によって占拠され、大使館員とその家族などのアメリカ人が人質になった事件を下地にしたサスペ…

『Looper』(邦題『Looper/ルーパー』)

『Looper/ルーパー』写真クレジット:Columbia Pictures 空想好きの想像力を掻き立ててくれるタイムトラベルを物語に仕込だSFアクション映画を紹介しよう。

追悼、シュラミス・ファイアーストーン

写真クレジット:NYタイムズ 8月28日、『性の弁証法』を書いたシュラミス・ファイアーストーンが亡くなった。67才だった。彼女は『性の政治学』を書いたケイト・ミレットと並んでラディカル・フェミニズムの思想を打ち立てた人で、70年代当時、私を含めた多…

『嵐が丘』(原題 "Wuthering Heights")

『嵐が丘』写真クレジット:Oscilloscope Pictures アンドレア・アーノルド監督の『嵐が丘』の試写を観てきた。なかなか良い映画だった。

”The Master”

"The Master" 写真クレジット:The Weinstein Company 先週は試写会で "The Paperboy"、劇場公開中の "The Master" を日本町のカブキシアターで観た。

"girl model"

写真クレジット:"girl model" A First Run Features 痩せた白人少女がグラビアを埋める日本のファッション雑誌。あんな雑誌を見て育てば、自分を美しいと思えない女たちや拒食症の少女が増えて当然と思うが、相も変わらず日本では痩身金髪の少女モデルの需…

"Robot & Frank”(原題『ロボットとフランク』)

"Robot & Frank”写真クレジット:Samuel Goldwyn Films 海に夕陽が沈む様子をじっと見ていると、太陽が完全に海に隠れる寸前に急にオレンジ色の強い光を放つ時がある。あの光を何と呼ぶのか、どういう現象なのか知らないが、尽きようとする命を惜しむかのよ…

『Pink Ribbons, Inc.』

『Pink Ribbons, Inc.』写真クレジット:A First Run Features 乳ガンに対する啓蒙活動ピンクリボン、日本ではどんな活動なのか無知だが、当地のそれはちょっと胡散臭くて前から気になっていた。サンフランシスコ市で先月にあったエイボン・ウォークは、化粧…

"SAMSARA"

"SAMSARA" 写真クレジット:Oscilloscope Laboratories くっきりとしたメークのバリの女性ダンサーのクローズアップ、その背後に流れるどこか懐かしいガムランの調べが極彩色に彩られた仏像のアップへと転じ、チベットの僧院へと流れていく巧みなオープ二ン…

『一命』(英題 "Hara-Kiri: Death of a Samurai")

『一命』写真クレジット:Tribeca Film 社会派で知られる小林正樹監督が初めて手掛けた時代劇『切腹』(62年)を、『十三人の刺客』の三池崇史監督がリメイクした。日本の時代劇映画としては初めての3D作品、しかも十一代目市川海老蔵が初めて時代劇映画で主…

"The Invisible War"

"The Invisible War" 写真クレジット:Cinedigm 先月劇場公開されたドキュメンタリー映画『ザ・インビジブル・ウォー(意訳:見えない戦争)』(カービー・ディック監督)を観て、たくさんのことを思った。本作は米軍内で頻発する主に女性兵士への強姦と性的…

"The Imposter"

"The Imposter" 写真クレジット:Indomina Releasing ある少年の失踪を巡る奇妙奇天烈なドキュメンタリー映画を紹介しよう。1994年、テキサス州サンアントニオで13才の少年ニコラスが失踪した。家族らの懸命な捜索に関わらず、少年の行方は知れず月日が流れ…

"Elena"(邦題『エレナ』)

『エレナ』 写真クレジット:Zeitgeist Films 人間の最良の部分と最悪の部分を見せつける「金」をめぐって、平凡なロシアの女の世界が動いていく。サスペンス映画の体裁を取りながら、劇的な展開を極力抑えて淡々と描写される女の日常。次に何が起きるかでは…

『Where Do We Go Now?』

争いを止めさせるために集まったイスラム教徒、キリスト教徒、ロシア人の女性たち『Where Do We Go Now?』写真クジット:Sony Picture Classics07年の『キャラメル』で世界に飛出したレバノンの女性監督ナディーン・ラバキーの最新作を紹介したい。アラブの…

“FUKUSHIMA, Never Again”

2011年11月6日、反原発・反失業 全国労働者総決起集会から。 写真クレジット:Labor Video Project.2月に当地でプレミアされた "FUKUSHIMA, Never Again” というドキュメンタリー映画の紹介をしよう。製作したのはLabor Video Project。スティーブ・ゼルツァ…

"Polisse"

"Polisse" 写真クレジット:IFC Films 身体の大きなアフリカの若い母が幼い息子を連れて警察にやってくる。「もうこの子を連れてホームレスは続けられない。預かって欲しい」というのだ。対応に当たった捜査官は胸がつぶれ、なんとか二人が入れる施設を探そ…

"I Wish"(原題『奇跡』)

『奇跡』写真クレジット:Magnolia Pictures 小学4年の頃、どんな夢を持っていただろう。本作を観ながらしばし子供時代を思い返してみるのも悪くない。二度観たが二度目の方が味わいが深かった。物語の展開よりもモリモリと食べ、ぐっすりと眠り、やたらと…

"Vision of Abolition"

写真クレジット:Vision of Abolition 「刑務所産業複合体」という言葉を知っているだろうか。知人のセツ・シゲマツさん(以下敬称略)が撮ったドキュメンタリー映画『Vision of Abolition−from Critical Resistance to A New Way of Life』(意訳:撤廃への…

"Hysteria"

"Hysteria" 写真クレジット:Sony Pictures Classics 1880年代のロンドンで、突然泣いたり怒ったり、イライラに悩まされた女たちが密かに医師を訪ね、医師らはこの原因不明の症状にマッサージ治療で対応していた。ところが、この治療法には時間が掛かり過ぎ…

"Bernie"

"Bernie" 写真クレジット:Millennium Entertainment 台詞の大半がコテコテのテキサス訛りで聞き取りにくいのに、何度も大笑い。もし全部が聞き取れたら、と思うと最上の珍味を食べそびれた思いになるダークでスマートなコメディ映画だ。

臨死体験をした女性の証言

最近、末期ガンで臨死体験をしたアニタ・ムジャー二さんの話をユーチューブで観て、大きな衝撃を受けた。彼女は死ぬことで肉体から解き放たれ、魂となって溢れる光と無条件の愛に包まれる至福の体験をした…。ここまでは臨死体験をした人たちが語る体験とよく…

"Monsieur Lazhar" (邦題『ぼくたちのムッシュ・ラザール』)

『ぼくたちのムッシュ・ラザール』写真クレジット:Music Box Films モントリオールの小学校を舞台に、心に傷を負った生徒と教師の出会いと癒しへの道のりを描き出した秀作映画だ。11年のトロント国際映画祭で最優秀カナダ映画賞を受賞し、今年のアカデミー…

"The Salt of Life"

"The Salt of Life" 写真クレジット:A Zeitgeist Films だいぶ昔、作家の吉行淳之介が落語家の三遊亭円生をインタビューした際、彼が生家の間取りの話をしているのに、その語り口がまるで落語を聞いているように巧いので引込まれた、という話をしていた記憶…