”K-Pax ”

一千光年先のK-Pax という惑星から来たと言うプロート(ケビン・スペイシー)が、ニューヨークの精神病院に収監される。瞬く間に病棟内の患者たちの心を掴み、驚異的な天文学知識を披露するプロートに、彼を担当することになった精神科医マーク(ジェフ・ブリッジス)は強い感心を持っていく。超然として人類の愚かさやマークの医師としての無力を問うプロート。はたして彼は本当に異星人なのか。プロートの謎を解明しようとマークは彼の過去を調べ始める。

物語はプロートを病人と断じることの出来ないマークの内面の葛藤、未知の力に魅了されていく人々の姿を描きながら、最後まで謎を明かさない。患者のプロートにマーク自身の心のトラブルを指摘される逆転が精神医学の限界を衝くようで面白く、現実とファンタジーがうまくミックスしたSFドラマに仕上がっている。