”Life as a House”

家族の和解を描いた秀作映画。ぼろ小屋で一人暮す偏屈な中年男ジョージ(ケビン・クライン)が、仕事をクビになったあげく、病いに倒れ、余命を知る。残されたわずかな時間、彼は離婚した妻(クリスティン・スコット・トーマス)と暮す反抗的な16才の息子サム(ヘイデン・クリステンセン)を一夏だけ預かることにする。ジョージは彼の父が残した土地に建つぼろ小屋を壊し、自分達の家を立てようとサムに持ちかけるが、荒み切った息子は自分を見捨てた父への怒りをぶつけ、抵抗する。

アル中の上に、息子を決して褒めなかった父を憎んで育ったジョージ、そのジョージに見捨てられたことを恨んで育ったサム。荒涼とした父子関係にピリオドを打ち、命が燃え尽きる前に新たな家(=自分の人生)を建てようとする中年男の姿が胸に迫る。お涙頂戴の夢物語との批難の声も聞こえるが、家族再生のテーマは深く、真摯だ。監督はアーウィン・ウインクラー