ニール・ドナルド・ウォルシュ氏に聞く


@Samuel Goldwyn Films

27ヵ国語に翻訳され、日本でも人気のスピリチュアリティの本『神との対話』(邦題)シリーズは、現在も続編の出版と再版が続くロングセラー。今月末に映画の劇場公開が決まった。原作者のニール・ドナルド・ウォルシュ氏と監督のスティーブン・サイモン氏から製作の経緯を聞いた。

ハリウッドで長年プロデューサー(代表作 "What Dream May Come")をしてきたサイモン氏は、数年前にスピリチュアルな内容のDVDを個人に提供する会社(THE SPIRITUAL CINEMA CIRCLE)を創立。その成功を経て資金を確保、映画化をウォルシュ氏に打診した。『神との対話』で人生観が変わり、ハリウッドを後にしたサイモン氏は、これが初監督作品。「脚本家選びから配役までニールとの共同作業で、とても助けられた」という。

映画の内容は、ウォルシュ氏が神との対話を始める前の不運と苦しみに満ちた時代を中心に描かれる。「私の個人的な体験自体に意味はありません。むしろ、すべての人が体験する<魂の暗い夜>を描くことで、人はなぜ苦しい人生の挑戦を受けるのか、という問いを導きだしたかった」という。一冊目の『神との対話』も、この神への激しい問いから始まる。以下はウォルシュ氏への一問一答。

ー 今でも神との対話は続いていますか?
「すべての人が続けていると思いますよ。ひらめき、名案、天啓、女性のカン、などと呼ばれる形でね」
ー それはあなたにとってどんな感覚のものですか?
「豊かで、温かな感じ。そう、孤独の終わりという感じかな」
ー『神との対話』には素晴らしい智慧(ちえ)が詰まっていますが、それを暮らしに活かすのが難しいのですが?
「私も恐怖や不安に捕われる挑戦をいつも受けています。でも、少しづつ変わってきた。自分のささいな言動がいかに人を傷つけているか、そのことに敏感になることが助けになったと思う」

正確な言葉を選びつつ早口で話す感じは、厳格な哲人のよう。短い取材を終え、急いで退出するウォルシュ氏の後ろ姿が主人公ニールに似ていた。ニールは、本が爆発的に売れ始めた後に、<魂の暗い夜>を生きた自分と再び出会い、二人で歩いていく。その二人の後ろ姿が、今も神と自分に問い続けるウォルシュ氏の姿と重なった。

主演はヘンリー・ツェーニー。上映時間:1時間42分。サンフランシスコは27日よりメトレオン、センチュリー12で上映開始。