“Star Wars: The Force Awakens” (邦題『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』)


スター・ウォーズ/フォースの覚醒』写真クレジット:Walt Disney Studios Motion Pictures
最後の戦いから約30年後、銀河は帝国軍残党「ファースト・オーダー」(以下FO)が支配の魔手を伸ばし、対抗する「レジスタンス」軍は、失踪した最後のジェダイルーク・スカイウォーカーマーク・ハミル)の妹レイア(キャリー・フィッシャー)によって指揮されていた。
FO はルークを探し、砂漠の星ジャクーでルークの居場所が記された地図を持つレジスタンスのポー(オスカー・アイザック)を捕らえる。だが、ポーはFOに捕まる寸前、地図をドロイドBB-8に渡していた。

ファン待望のシリーズ7作目、興行成績で歴代トップに躍り出た超のつく大ヒット作だ。ルークとレイアの父アナキンを主人公とした前3部作に失望したファンも、初期3部作を継承した本作に胸躍らせたに違いない。

前半は、新主人公の少女レイ(デイジー・リドリー)とFOの元兵士フィン(ジョン・ボイエガ)が登場し、若い彼女らと共に戦うハン・ソロハリソン・フォード)やチューバッカらの活躍が描かれる。ソロのミレニアム・ファルコンから戦闘機までが30年前と同じのレトロ感だが、アクション場面では見違えるようなスピード感で画面を圧倒。

中盤からダークサイドの戦士カイロ・レン(アダム・ドライバー)が登場し、レイがフォースを自覚するあたりから、物語は第1作『エピソード4/新たなる希望』と似た展開になっていく。レン=ダース・ヴェイダー、レイ=ルークの図式で繰り返される歴史、フォースの対決だ。

監督は『M:i:III』や『スター・トレック』シリーズなどアクション映画のヒットを連発しているJ・J・エイブラムス。脚本は彼の他、 『エピソード5/帝国の逆襲』を描いたローレンス・カスダンなど。懐かしさと新しさを巧みにミックスした脚本で、『…新たなる希望』では白人、男性が主要な登場人物だったが、本作から女性、アフリカ系男性などが主要な役割を演じて、多様化の時代に対応した配役になっている。

ファンの中で生き続けるスターウォーズの魅力は、ダークとライトサイドに明暗を分けるフォースの存在とフォースを引き継ぐ血族の葛藤。本作はその原点に立ち戻り、いくつかの謎を残して終わる。なんとなく次回作の見当がつくだが、ぜひともファンの予測を裏切る次回作を期待したい。

上映時間:2時間16分。
全米、日本全国でで2D、3D両バージョンで上映中。

"Star Wars: The Force Awakens”英語公式サイト:http://www.starwars.com/the-force-awakens/
スター・ウォーズ/フォースの覚醒』日本語公式サイト:http://starwars.disney.co.jp/movie/force.html