"Hannibal" 

メガヒットをした『羊たちの沈黙』の続編。前作から10年、凶悪犯逮捕時の銃撃戦を巡ってFBI上部から責任を問われていたFBI捜査官クラリス(前作のジョディ. フォスターに代わりジュリアン・ムーア)の元に、宿敵である天才的殺人鬼ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)から一通の手紙が届く。手紙を元にハンニバルの居場所を突き止めようとするクラリスだが、ハンニバル の正体を知ったフローレンスの刑事(ジャンカルロ・ジャンニーニ)はハンニバル への復讐を誓う大富豪(ゲイリー・オールドマン)の賞金を目当てにクラリスの捜査を妨害するのだった。

作品前半がフローレンスになったことで、作品にゴシック的怪奇性が増した。また、冷徹な捜査官に成長したクラリスの孤独と苦悩、追手の裏をかいて自在に動き回るハンニバル の強靱さ明晰さなど、前作と比べて登場人物の成熟 が感じられる大人っぽい仕上がり。が、前作の透徹したサスペンスの面白さに及ばなかった。監督は『グラディエーター』のリドリー・スコット。それにしても最後の晩餐シーンは強烈。おかげでしばらく菜食が続いている。