”Be Kind Rewind”

”Be Kind Rewind” 写真クレジット:New Line Cinema
誰もが知っている名画やヒット映画を、身の回りの物を使って自分たちでリメイクしたら…。そんなワクワクするアイディアを芯に、話の枝葉を伸ばしていったようなコメディ映画だ。快優ジャック・ブラックが大活躍している。

今だにビデオしか扱っていないツブレかけたレンタル屋が舞台。店員マイク(モス・デフ)と修理工のジェリー(ブラック)は幼なじみ。店近くの高圧線の下で暮すジェリーは店に出入りするうち、店内のビデオをすべて消してしまう。高圧線の事故で身体から磁気を発するようになっていたのだ。

店主(ダニー・グローバー)に店を任されているマイクは大慌て。『ゴースト・バスターズ』を観たいと店に来た近所のおばさん(ミア・ファロー)のために大急ぎで、自分たちで撮影した映画をテープに録画することに。

どうせおばさんに特撮は分からないと、20分だけのスウェーデン製と誤摩化して貸し出した。ところが、これが町のチンピラの間で大ヒット。もっと見せてくれと迫られた二人は、次から次とリメイクを作り始めるハメに…。

ロボコップ』や『ライオンキング』に『キングコング』、ついには『2001年宇宙の旅』まで登場。このリメイク版がケッサクだ。段ボールやアルミホイルを使っての超手作り版だが、あの名場面を再現したいという熱意が溢れ返って、楽しいことこの上なし。こういう熱狂的な役はブラックの独壇場だ。

が、楽しいのはここまで。店主が戻ってからの後半は減速し、ヒューマンなエンディングも作り過ぎの感があって滑らかではなかった。

監督は"Eternal Sunshine of the Spotless Mind", "The Science of Sleep" のミシェル・ゴンドリー。フランス人でビョークのミュージック・ビデオで世界の注目を浴び、映画に進出。天才的な映像感覚があり、04年の"Eternal..."は失われゆく記憶を見事に映像化した傑作だ。

流れる映像の圧倒的な力とロマンチシズム、そこはかとないユーモアが特徴の人だが、この映画の炸裂する笑いをまとめきれなかったようだ。

次回作は韓国のポン・ジュノ監督らとのオムニバス作品。東京がテーマだ。これも楽しみ。

上映時間:1時間41分。2月22日より劇場公開予定。

”Be Kind Rewind”英語公式サイト:http://www.bekindmovie.com/