“Captain America: Civil War”(邦題『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』)


『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』写真クレジット
:Walt Disney Studios Motion Pictures
ウルトロンの戦いから1年後、アベンジャーズのさまざな戦いで市民に犠牲者が出ていることに非難が集まり、国連で彼らを管理する協定が支持を得る。アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)は若い青年の死を糾弾され、深く反省して条約へのサインをアベンジャーズに呼びかける。
しかし、自主性を重んるキャプテン・アメリカクリス・エヴァンス)は承諾できないと反論、ファルコン(アンソニー・マッキー)やスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)も彼に同意し、アベンジャーズは真っ二つに。協定の署名式に参加した賛成派ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)は会場で起きた爆破に遭遇、犯人はウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)だと断定されるのだが・・。

キャプテン・アメリカ(以下CA)というよりアベンジャーズ・シリーズを継承した内容。CAと旧友ソルジャーの友情と過去の事件、新たに登場したパンサーなどを絡ませながら、ヒーロー同士の対立と戦いが描かれていく。
対立と言っても原因が意見の違いなので、憎しみでや重さがなく、アクション重視で物語が展開していく。他作品でお馴染みのスーパーヒーロー(以下SH)なども助太刀に登場するサービスぶりで、満艦飾という古い言葉が浮かんだ。正式にはマーベル・シネマティック・ユニバースと言うようで、本作ですでに13作目になるので、完成したマーベル世界を持っている。
反面、シリーズの一作だけ見ても、よく分からないし、面白みも感じにいにくというタイプの作品でもある。Xメンしかり、スターウォーズしかりだ。

このジャンルの映画は莫大な予算で作っても、次回作を待つファンベースが盤石なので損はしないという前提で作られている気がする。ちなみに本作の推定製作費2.5億ドルに対して、公開一週目でワールドワイド約6.7億ドルの収益を上げた。ビックビジネス、シリーズはしばらく続くことだろう。

とはいえ、話がつまらくてはファンもついて来ない。本作でも多くのSHが登場するが、それぞれの見せ場と役割を担い、コマ切れ感はあるが混乱がなく、話が明快で分かりやすい。本シリーズの特徴である切れの良いフィジカル・アクションの醍醐味と大真面目にならないユーモアも健在。ダークでよく話の見えなかった『スーパーマンvsバットマン』と比較すると作風の違いは大きく、ファンには堪らない快調なアクション娯楽大作と言えるだろう。

監督はアンソニージョー・ルッソ兄弟。今後はアベンジャーズ・シリーズ二作の監督も担当予定だという。
上映時間:2時間27分。

“Captain America: Civil War”英語公式サイト:http://marvel.com/captainamerica
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』日本語公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/civilwar.html