試写室のひととき

昨日、2つの試写会に行って来ました。"Leonard Cohen, I'm Your Man" (写真、左がコーヘン、右がU2のボノ)とメリル・ストリープが出ている "The Devil Wears Prada"。両方とも昼だったので、試写に来るのは批評家やメディア関係の人がほとんど。携帯のスクリーンを見たりする人もいないので、集中して見られる良い環境です。普通、昼の試写は、ダウンタウンにあるVariety Review Room という場所で上映されます。たぶん、"Variety”という映画の業界新聞に関係があるのだと思いますが、よく知りません。

この試写室は50席くらいの階段式の席と、壁際にゆったりした大きなソファ風の椅子が6つあり、私はその椅子をいつも指定席にしています。大きいので、足を椅子の上に組んで、横座りできるから。昨日は2回とも運良くこの席をゲット。
昨日のサンフランシスコは珍しく暑く、試写室にクーラーがガンガンきいて、すごく寒いので、足を椅子に上げてスカーフをかけての映画鑑賞でした。

私は批評家やメディア関係に知り合いがいないので、いつも一人で静かにしていますが、来ている人同士はよく喋っています。アメリカ人は声が大きいので、聞こうとしなくても話は筒抜け。だいだい最近試写のあった映画について、どうだこうだと喋っているのですが、面白いことに、ほとんどの人が映画を褒めない。「ぜんぜんダメだった」「何も期待しない方がいい」「女の描かれ方がダメだ」とか、文句を言う人がすごく多い。

それが時々、大げさで口汚く、不自然な感じに聞こえるのです。自分は厳しい批評家なので、めったなことでは褒めないぞ、とカッコつけてるような感じもして…。まさか、貶すことが批評だと思っている訳ではないと思うのですが、こういう人は、あまり映画が好きではないのではないかという、気持ちになります。

昨日の試写で驚いたのは、朝の "Leonard Cohen..." の試写では4人しか来ていなかったのに、午後の "The Devil..." では満席だったこと。試写室が満席になったのは初めてだったので、"The Devil..." の前人気の高さを思いました。私は"Leonard Cohen..." の方がずっと好みでしたが、この映画の話は別の機会に。"The Devil Wears Prada" は映画紹介を書きましたので、そちらの方をご覧ください。