"Toy Story 2"

子供時代の生きることのきらめきが蘇る

3Dアニメの草分け的作品で95年に大ヒットした"Toy Story" の第2弾。前作がダントツの面白さだったので、2作目に不安(2作目は出来が悪いことが多い)があったのだが、そんな心配は杞憂に終った。月並な言い方だが、子供に返った気持ちでオモチャたちの冒険に我を忘れ、全編を笑い通してしまった。子供も多く集まった試写会場は、熱気と笑いのルツボと化し、エンディングではかつて聞いたこともない拍手の嵐。大ヒット間違いなしの感触充分だ。

お話は、カウボーイ人形のウッディ(声:トム・ハンクス)が、オモチャ・コレクターの男に盗まれ、日本のおもちゃ博物館に売り飛ばされそうになるのを、仲間のオモチャたちが救出のための大冒険に出かけるというもの。前作で自分を本物のアクションヒーローと思い込み大笑いさせてくれたバズ・ライトイヤー(声:ティム・アレン)が中心となり、ミスター・ポテトヘッドや恐竜のレックス、ブタのハムなど、お馴染みのとぼけたキャラクターが街へ飛び出し、大活躍する。

舞台もオモチャたちの住むアンディ少年の部屋から、ダウンタウン、オモチャ屋、空港へと広がり、躍動感のあるアクションシーンが堪能できる。加えて今回、ウッディが50年代の人気TV番組のキャラクター人形だったことが判明。番組仲間だった元気いっぱいのカウガールのジェシー(カワイイ! 声:ジョアン・キューサック)やポニーのブルズアイも新登場して、ドラマは一層の盛り上がりを見せる。

アクション・コメディならではのスピーディなストーリー運びに、仲間思いのオモチャ達の熱い友情と、子供が成長したら捨てられる運命のオモチャの悲しみを盛り込み、大笑いしながらオモチャヘの愛着が深まっていく展開が実にいい。オモチャに込められた永遠に色褪せることのない子供時代の生きることのきらめきが蘇ってくる映画のマジック。大人も小さな子供も同じように笑い楽しめる映画を作ることの、単純なようで奇蹟のようなワザを、難無く見せてくれた希有の作品だ。
製作はピクサー・アニメ・スタジオ、監督は『トイ・ストーリー』と去年のヒットアニメ『バグズライフ』のジョン・ラセッター。