『記憶スケッチアカデミー』


ナンシー関の本、笑い過ぎて喉が詰まった。
通販生活』とかいう雑誌に連載されていたものの文庫。内容は雑誌の読者にお絵描きの題を出して、その絵を投稿してもらうというもの。たとえば「カエル」とか「カマキリ」というお題で絵を描いてもらい、送られてたものをナンシーが講評するという趣向。

この絵がスゴイのだ。



えー、これがカエルかあ、と仰天するような絵ばっかりだ。それらがどれほどスゴイ絵か見てみたい人は、自分で描いてみると良い。

私も描いてみたが、車にひかれた手袋みたいなものしか描けなかった。あまりの描けなさ加減に自分でびっくり。

それらの絵を、カエルの絵として雑誌に送った人たちのことを考えると、人は何を考えて生きているのだろう、深く哲学的なキモチになっていく。

ナンシーのコメントもさえわたって面白い。

だいぶ前に、職場の日本人同僚とやった日本語遊びを思い出した。きっと日本では日本語の勘違いを集めた本が出ているんじゃないだろうか。

たとえば、「ひょうたんから○○」の○○部分に言葉を入れる。ゴマ、サケ、ウメとか、すごい答えが続出した。で、出題した私が「ひょうたんからはコマじゃないの」とエバり、独楽を回すふりをしたら、そばにいた人から「その独楽じゃなくて、こっちの駒じゃないの」と一言。ゲー。

「まな板の上の○○」とか「立て板に○○」「ネコに○○(漢字)」「ブタに○○(漢字)」。正解者が誰もいなかった。

「日本から離れて暮らしてるし、仕方ないよねー」と笑いあったが、本当か。ずっと日本にいても正解は出せなかったような気がする。

友人たちの迷言も忘れられない。
「会議で上司がつまんない話を長々喋るんで、ムラムラした」(職場じゃマズいんじゃないか)
「あの人は薪を割ったような性格」(竹より豪快な性格か)
「友達が株で儲けて、最近は右うちわで暮らしている」(左うちわは余裕、でも右だとクーラーがなくてセカセカ、ビンボーそう)

ナンシーの本に戻ると、「カマキリ」なんて描けない気がする。あと、「サイ」とか「カバ」とか描こうとすると同じになりそう…
ナンシーさん(急にさんづけ)は02年に早世。
彼女の本はたぶん全部持っていると思う。日本にカエル(あれ?ここにもカエルが…)と買いあさった。
長生きしてもっと笑わせて欲しかったな。