Anthony Bourdain No Reservations

トラベル・チャンネルでやっている世界食べ歩き番組。これがかなり異色で大好物だ。

トニー・ボーディというNYのシェフが、世界のあちこちにいって、かの地の風俗にふれ、出されたものは何でも食べる。何でもだ。その映像に合わせて、トニーのハードボイルドタッチの辛口ナレーションがかぶるのだが、これが実に面白い。ロシアに行った時、トナカイの肉を出されて食べる場面で、ティミーという少年が「サンタさんのトナカイを食べちゃていいのお」と不安げに父に語る、というアドリブを入れたりする。

ベトナムで割いたばかりの蛇の心臓を飲み込んだり、中南米の田舎でイグアナの料理法を見学したあげく、それを食べて「今までに口に入れたもの中で一番まずい」とコメントしたり、アジアのどこかで、ゲストとして一番大切な役目を仰せつかり、野ぶたをグサリと殺し、動揺した心を煙草の一服で鎮めたりと、怖れを知らぬ食のアドベンチャーを続けている。

退屈しのぎにチャンネルを動かしている時、この番組をやっていると再放送でも絶対に観てしまう。ヤミツキなのだ。

で、この間もそんな風にしてこの番組を途中から観たのだが、再放送のハズなのに観た記憶がない。

「これ、どこ行った時のだろう? ブラジル?、メキシコ?」と家人に聞くと、
「ああ、コレ観たやつ。メキシコ編」
「ウソ、私、観てない。一人で観たの?」
「一緒に観たじゃん」
というやり取りをしながら観ていたのだが、どうしても思い出せない。
ところが、場面が変わってメキシコ風スナック、ナッチョの作り方の映像が出たとたん
「あーっ! コレ観た!!」と声をあげた。
人を見ても、風景を見ても、ナレーションを聞いても、ぜんぜん思い出せなかったのに、である。自分に興味関心のあることしか記憶に残らないということをはからずも証明。ウーン、食は強し。

番組のサイト(英語):http://travel.discovery.com/tv/bourdain/bourdain-season3.html