最近観た日本映画

面白かったのものをランダムにあげてみよう。

嫌われ松子の一生』『下妻物語』(共に中島哲也監督)、『妖怪大戦争』(三池崇史監督)、『魂萌え!』(阪本順治監督)、『松ヶ根乱射事件』(山下敦弘監督)、『ゆれる』(西川美和監督)、『おとし穴』(勅使河原宏監督、1962年製作)。


製作年度も違うし、観られるものだけを観た中で記憶に残ったものを羅列した。観てから何週間たっても強く記憶に残る映画というは、やはり面白かったのだと思う。

これら以外にも『ゲド戦記』『どろろ』『電車男』『さくらん』『フラガール』『博士の愛した数式』など話題なった作品も観たが、あまり記憶に残らなかった。

フラガール』は、この夏サンフランシスコでも劇場公開があった作品。良く出来ていると思ったのだが、ハリウッド映画を観ているような「出来の良さ」が気になった。

話の組み立て方、泣かせどころ、華やかなフラダンスで締める大団円の終わり方まで、ハリウッドの必勝(?)フォーミュラをそのままイタダキましたという感じだ。

成功するハリッド映画のノウハウを良く学習して、常磐ハワイアンセンターの話に、当てはめたのではないだろうか。

ハリウッド映画を見慣れていると、こういう映画はすごく判りやすくて楽しめるし、簡単に「感動」出来てしまう。これが困りものだ。観終わった時の感じが、アメリカ映画の時と一緒なのだ。和製ハンバーガーか。

映画作品というより、よく出来た映画商品に金を払ったという感じだ。こういう映画が興行的に当たって、キネ旬などでもベストワンになるという日本映画の状況は、映画界に活況を与えるかもしれないが、危険な流れという気がする。

最初にあげた作品群は、どれも個性的なものばかり。好き嫌いという好みを越えて、監督一人一人の奇妙奇天烈な映画世界に遊ぶ感覚が楽しかった。これが、映画を観ることのゾクゾクする面白さなのだと思う。

同じような内容の物語を繰り返し観たいのならテレビがある。日本映画にお金を払って、アメリカン・ドリームを再確認するのではシャクではないか。日本映画の独自性で「負ける気がしねーぜ」、と下妻のヤンキー、イチゴの台詞を借りて締めくくりたい。