DVD紹介

"Once Upon a Time in Anatolia"

写真クレジット:Cinema Guild この映画を観て以来、本作の「すごさ」についてなんとか言葉にしたいと思って来たが、感動とか衝撃という言葉では言い表せない「すごさ」を受け取ってしまうと、いつも何も書けなくなってしまう。

『めぐりあう時間たち』("The Hours" 2002年、米国)

『めぐりあう時間たち』写真クレジット:Miramax Films 本作について、高尚ぶっていて難解な映画、そんな印象を持つ人は多いように思う。たぶん、それは映画化が不可能と言われたマイケル・カニングハムの原作によるところも大きいのだろうが、主にはレズビ…

『子猫をお願い〜Take Care Of My Cat』(01年、韓国映画)

写真クレジット:ポニーキャニオン 中学に入学して直後、とても目立つ小グループが出来た。長身の美少女(在学中からモデルをしていた)を中心に、彼女を囲む男の子っぽい雰囲気の女の子数人が、校庭の隅でいつもたむろしているのだ。私立女子校に特有の文化…

『キッズ・オールライト』(原題 "The Kids Are All Right" 2010年、アメリカ映画)

『キッズ・オールライト』写真クレジット:Focus Features やや旧聞になるが、今年のアカデミー賞でレスビアン・カップルが主人公のコメディ『キッズ・オールライト』が、主演女優賞、助演男優賞、作品賞、脚本賞の主要4部門にノミネートされた。たぶん、レ…

『そして、私たちは愛に帰る』(英題 "Edge of Heaven" 07年、ドイツ=トルコ映画)

『そして、私たちは愛に帰る』写真クレジット:ビターズ・エンド ドイツで生きるトルコ移民の厳しい状況を背景に、重い人生の試練を背負った人々の罪と癒し、家族愛を描いた第一級の映画作品を紹介しよう。若いレスビアンの恋人同士が物語の重要なけん引役に…

『セラフィーヌの庭』(原題 "Séraphine")など6作品

写真クレジット:Music Box Films 20世紀初頭に実在した素朴派の画家セラフィーヌ・ルイと彼女を見いだした著名な画商ヴィルヘルム・ウーデの出会いと生涯にわたる交流を描く。

"Sin Nombre" (2009) など9作品

"Sin Nombre"(邦題『闇の列車、光の旅』) 『闇の列車、光の旅』 写真クレジット:Focus Features 出演:パウリナ・ガイタン、エドガール・フローレス 列車の屋根に乗ってアメリカへ向かうホンジュラスの少女が、メキシコの元ギャングに命を救われた。少年…

"Food, Inc."

"Food, Inc." 写真クレジット: Magnolia Pictures 2009年に観た中で一番怖かった映画を紹介しよう。と言ってもホラー映画ではない。米国の食の現状を暴く衝撃的なドキュメンタリー映画だ。この映画を観終わると加工食品は買えない、ファストフードも食べら…

"The Times of Harvey Milk" (1984年、邦題『ハーヴェイ・ミルク』)

『ハーヴェイ・ミルク』 写真クレジット: Telling Picturesドキュメンタリー映画が劇映画と同じように観客の心を掴み、感情を激しく揺さぶることの出来る力強いメディアだ、ということを世界に証明した記念碑的作品を紹介しよう。『The Times of Harvey Milk…

"À bout de souffle” (59年。邦題『勝手にしやがれ』)

"Breathless" DVD 写真クレジット:Fox Lorber 映画の一場面なのに、現実よりも鮮烈な記憶として残っているイメージがある。『勝手にしやがれ』(英題 "Breathless")に出てくるパリの夕闇もその一つ。シャンゼリゼの街灯にフッと明かりが灯る一瞬の息をのむ…

"The Matrix"(99年、邦題『マトリックス』)

『マトリックス』写真クレジット:Warner Bros. 過去10年間を振り返ってこれほど興奮した映画はない。自分の世界観に根本的なインパクトを与えたという意味では最強の映画だと思う。どんなSFアクション映画も、本作と比べると色あせて見えて困るほど。それが…

"25th Hour"(2002年、邦題「25時」)

"25th Hour" 写真クレジット:Buena Vista Pictures スパイク・リー監督の作品から一つだけ選ぶなんてことは無理だ。『ドゥ・ザ・ライト・シング』や『マルコム X』など好きな作品が多すぎる。ただ私にとって、01年の9/11事件後に観た映画の中で最も暗示的だ…

 "Gloria" (1980年、 邦題『グロリア』)

写真クレジット:Columbia Pictures 先日、久しぶりでこの映画を見直して感心してしまった。主演のジーナ・ローランズが飛び切りに良いのだ。初めて見たときは、ローランズが銃をぶっ放す姿に強烈な印象を持った。信じられないかもしれないが、この映画が公…

 "Julia" (1977年、邦題『ジュリア』)

"Julia" 写真クレジット:Twentieth Century-Fox Film Corporation 若い頃に観てとても感動した思い出深い作品を紹介しよう。ジェーン・フォンダ演じる劇作家と親友ジュリアの長年にわたる友情物語で、バネッサ・レッドグレイブ演じるジュリアが知的でクール…

"La Pianiste"(2001年)

"La Pianiste" 写真クレジット:Kino International この映画を紹介するべきかだいぶ迷っていた。人に冷たく嫉妬深い女性の話なので、映画の魅力をうまく書ける自信がなかった。そんな時は人と話すのが一番。 知人にこの映画の話をしたら「ああ、それって何…

"Wall-E"など

[DVD紹介] "Wall-E"(2008年、邦題『ウォーリー』) 写真クレジット:Pixer 700年間、荒れ果てた地球でゴミ処理をしてきた孤独なロボット、ウォーリーが空からやってきた真っ白なロボットに恋をした…。典型的なボーイ・ミーツ・ガールのお話に、環境破壊やア…

『下妻物語』

『下妻物語』写真クレジット:東宝、VIZ Media日本に帰るたびに耳慣れない言葉が耳に入ってくる。80年代の始めの頃は「ヤンキー」。近年飛び込んできたのが「コスプレ」「ロリータ」。用語の使い方がかつてとは全然違うらしいのだが、よく解らない。人に聞く…

"The Three Burials of Melquiades Estrada"

"The Three Burials of Melquiades Estrada" 写真クレジット:Sony Pictures Classics カウボーイ映画なのにまったくアメリカ映画らしからぬ作品を紹介しよう。題名からして "The Three Burials of Melquiades Estrada"(05年、邦題『メルキアデス・エストラ…

"American Blackout"など

"American Blackout" 写真クレジット:Guerrilla News Network 大統領選挙の前なので新作映画の紹介を休み、ブッシュ政権の8年を振り返るドキュメンタリー映画を何作か紹介したい。政権の負の遺産ともいうべき、不正な選挙操作やイラク戦争の背景などを取り…

"Career Girls”

"Career Girls”写真クレジット:October Films 20代の頃、女友だちに泣かされたことがある。かなり痛いところを衝かれての悔し泣き。大人になってからあんなに泣いたのは初めてだった。あの時の熱さと激しさを懐かしく思い出させてくれたのがこの映画 "Caree…

"A Grand Day Out with Wallace and Gromit"(1989年)

"A Grand Day Out with Wallace and Gromit" 写真クレジット:Aardman Animations Ltd.友だちに推薦されてDVDを買って以来何回観たか分からない。でも、ぜんぜん飽きない。粘土で作った人形が動くクレイ・アニメーションの傑作を紹介しよう。邦題『チーズ・…

『悲情城市』

『悲情城市』写真クレジット:Artificial Eye豪華絢爛なスペクタクル、北京オリンピックの開会式を観ていてなぜか台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督のことを思い出してしまった。

"Friday Night Lights"(2004年)

"Friday Night Lights" 写真クレジット:Universal Pictures 気がついたら長いことアメリカ映画を紹介していなかったので、イチオシのアメリカ映画を紹介しよう。高校のアメリカン・フットボール(以下アメフト)チームの物語で、男性だけでなく女性が観ても…

『山椒大夫』(1954年)

写真クレジット:The Criterion Collection 里帰りするたびに、二人暮らしの両親と一緒に楽しめる娯楽として、「映画会」と称して名画のビデオを一緒に観るようになった。近所のビデオ屋から映画を借りて観るだけの家族の団らんである。

"Army of Shadows”(1969年)

原題 "L'Armée des ombres" "Army of Shadows”写真クレジット:The Criterion Collection この映画をDVDで観て、あまりに良かったのでもう一回解説付きで観てしまった。2時間25分の映画を2回連続、これで一日は終わり。だが、満たされた日だった。

"An Unreasonable Man"

"An Unreasonable Man" 写真クレジット:First Take (IFC)昨日ラルフ・ネーダーが08年の大統領選挙に出ると発表したので、ぜひこの映画を紹介したい。ラルフ・ネーダーと言うと、2000年の選挙でブッシュを大統領にした男としての悪評がまず浮かぶ。

"The Incredibles"

"The Incredibles" 写真クレジット:Disney and Pixar's 大人も子供も一緒に楽しめる極上の娯楽映画なら断然、ピクサーの長編3Dアニメを推薦したい。ともかくも、絶対に面白い。

"Mother Teresa"

"Mother Teresa" 写真クレジット:Petrie Productionsマザー・テレサの名前は知っていても、あえて知ろうとしなかったように思う。キリスト教がどうも良く分からないということもあったが、天使、聖女と呼ばれた彼女があまりに立派すぎて近づき難かったのだ。

『ゲロッパ!』(2003年)

写真クレジット: ©2003 "Get up!" Soul Bros.、シネカノン一度こびり付いたら絶対取れない強烈な印象。そんな関西のおっさんを知っている。この人に比べたら田辺聖子の「かもかのおっちゃん」なんて品の良い方だ。

"Gentlemen Prefer Blondes"

"Gentlemen Prefer Blondes" 写真クレジット:Twentieth Century-Fox この映画、クリスマスなどによく観ているような気がする。のんびり過ごす祝日にピッタリ。マリリン・モンローが出演している映画の中では一番好きな作品だ。邦題は『紳士は金髪がお好き』…